表の縫い合わせ
またまた、ワンショルダートートの制作過程。
一番楽しい表側の縫い合わせです。
でも…タマブチを使うこのバッグ、何重にも重ねた素材の、しかもタマブチの際を縫う必要があるため、私の機材では少し力不足。だからいろいろな工夫をしています。
まず、表面にタマブチをのせてきっちり貼り付けてからいったん縫います。…これは普通のやり方。
次に、マチの部分を乗せてタマブチの際の部分を縫っていきます。
この作業、本来はタマブチ専用の押え金を使用して、パワーの強い工業用ミシンで縫うものなのですが…バッグ教室で縫い合わせをしたときには、この装備でもなかなかうまくいかなかった記憶があります。
もちろん技量不足が一番の原因だったのですが、革を巻いて形成したタマブチの太さにタマブチ押えの大きさが合わないとうまくいきません。革を何重にも重ねた状態ではタマブチの際をしっかり捉えられず、逃げてしまうのだと思います。
この作業、私のシュプール君にはとっても過酷です。仮にサイズのぴったりのタマブチ押えがあったとしても、押える力も、縫い進める力も工業ミシンにとても及ばない…。
だから人力に頼ります!
使う押え金は片押え。
縫いながらタマブチの際の部分をへらで探り当て、ぐいぐいと筋をつけていきます。その筋の上を押え金を押し付けるようにして縫い進めます。
そうすると、あら不思議! 手漉きのちょっと太っちょなタマブチでも、きれいに際を縫い進めることができます。
うーん、写真をとっておこうと思っていたのに…。
この作業をしているとこにはそんなに余裕がないのかぁ。また撮り忘れてしまいました。
たくさんのパーツからなるバッグと違ってワンショルダートートは、この作業で形のほとんどが決まってしまう重要な工程なんです。
…で!
縫い終えたものをひっくり返します。
この瞬間が至福の時!
少し前までばらばらのきれっぱしだった布や革たちが、素敵なハーモニーを奏でるんですよねー!
生まれてきてくれてありがとー、おかーさんはうれしーよ、って感じになります。
まー。べっぴんさんだねー。
タマブチのおかげで、きりっと自立して。
カーブもスッキリね!
形の大半はできたのですが、工程としては道半ば。
身付けや持ち手の付け根の革処理、内袋の作成…と、まだまだ地味な作業が続きます。
…だ、だいすきですとも、こういう地味な作業も!
完成に向けてがんばります!
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